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事業の趣旨・目的

PURPOSE

留学生の増加と介護福祉士試験合格率向上による、介護人材の定着強化

日本における介護人材は、高齢化を背景とした需要増加の基調にありながら、その確保が全国的に困難(介護職の有効求人倍率が3~4倍で推移する状況)である。沖縄県も例外ではなく、同有効求人倍率は5倍以上という厳しい現状が続いている。2024年には与那国島において、介護施設の需要はあるにも拘わらず人手不足によって施設が閉鎖する事象が起きた。かかる状況下において外国人の介護人材は地域の介護サービスの支えとして重要であり、県内の複数の養成校で積極的な受入れが進められている。

日本介護福祉士養成施設協会(以下、介養協)の統計によると、毎年約2,000名の外国人が介護分野の留学生として来日し、介護福祉士の取得を目指している。しかし、同試験が求める高い日本語力(自ずと専修学校入学前の日本語学習が必要とされる点)によって留学費用は高額となり、また留学生の同試験の合格率(35.1%, 2024年度)は日本人(78.3%, 同年度)と比較して低調で、これらが留学生の増加や日本定着の大きなハードルとなっていると思料される。後者については2026年度まで設けられている経過措置(養成校の卒業者は試験不合格であっても5年間の実務経験により、資格ひいては就労ビザが取得可能)により現時点で大きな問題ではないが、経過措置の終了を目論んで喫緊に対策を講じる必要がある。

本事業においてこれら介護分野の留学生が抱える問題に対する打開策を講じ、留学生の増加と試験合格率の向上、ひいては日本への定着率の向上を図る。

当該地域において
取組を進める意義

SIGNIFICANCE

Ⅰ. 介護分野全体の状況

「事業の趣旨・目的」で先述の通り、介護人材の人手不足は全国的に深刻である。その一助となり得る外国人介護人材の確保のため、技能実習や特定技能と併せて留学生(介護福祉士)の増加も課題とされており、本事業ではかかる課題に取り組む。当該人材の不足理由は、大別して①留学へのハードルと②国家試験合格率の観点が存在する。先述のとおり、後者は経過措置により現時点では潜在的だが、当該措置の終了とともに顕在化が懸念される。

留学へのハードルの要因は留学費用の高さや、留学の投資効果にかかる発信不足、生活面の不安等が考えられる。国家試験合格率については、求められる日本語力の高さ、試験慣れ(「正しくないものを選べ」等の日本の試験特有の引っ掛け問題 への対応力)不足、留学生がアルバイト等で自習時間の捻出が難しい等の事象が考えらえれる。(時間捻出が難しい原因にも留学費用の高さが寄与する。)

重要な課題:高い日本語力要求による留学費用の高騰

真因のうち特に大きなものは、高額な留学費用と求められる日本語力の高さであり、これら2つの間にも「試験で日本語力を求められるために専修学校入学前の日本語学習が必要となり、当該日本語学校の学費が留学費用を圧迫する」という因果関係が存在する。

介養協のデータによると、来日する介護分野の留学生(約2,000人/年)の約7~8割は、専修学校入学前に日本国内の日本語学校で日本語を学び、専修学校等で試験合格を目指す道筋を辿る。しかし、当校に通う留学生へのインタビューによると、かかる国内の日本語学校の関連(入学金・授業料・当該期間の寮費等)で年間100万円から120万円ほど必要で、この費用負担が日本への留学を躊躇する一因となり得ている。もっとも、これら日本語学校の費用を補填する自治体や企業もあり、沖縄県も後述の補助を設けている。しかし被補填者の人数や金額は限度があるため、継続性や門戸拡大の観点では総費用自体の圧縮も必要である。

Ⅱ. 沖縄県および当校における現在の取組・現況

上記の状況に対して、沖縄県および当校はこれまで以下の取組を行っている。本事業もこれらの取組と平仄を合わせながら進めていく。

1. 沖縄県の取組・現況

①各種補助金:下記の「沖縄県介護福祉士就学資金」はじめ、留学生に対する経済的補助(日本語学習や研修等)や奨学金補助、外国人人材を受け入れる施設に対する支援スキーム等を設けている。

【貸付可能な主な修学資金の項目と金額】
  • ・修学費:5万円/月以内
  • ・入学準備金・就職準備金:20万円以内
  • ・国家試験対策費用:4万円/年以内
  • ・生活費加算:3.8万円/月以内
【条件等】
  • ・連帯保証人が必要(現在、対象の学生を卒業後に受け入れたい施設が保証人となっている)
  • ・実質無利子だが延滞時は年率3%の延滞利子が発生
  • ・県内の介護分野の施設で5年間(過疎地域・離島であれば3年間)勤務すれば返済免除

②社会福祉連携推進法人いーまーる:2024年11月に複数の社会福祉法人や学校等が合同で立ち上げ、県内の産学連携等の役割を担う。

2. 当校の取組・現況

  1. ①当校は定員40名として学生を育成しており、2025年度は約5~6割が留学生である。現留学生はネパール人をはじめ、フィリピン人、ベトナム人で、過去にはインドネシア、韓国、中国等からも受け入れている。留学生の現在の男女比は、女性が8~9割である。
  2. ②留学生のほぼ全員が、毎週20~25時間のアルバイトに従事(放課後や週末に介護施設等で勤務)している。
  3. ③これまで複数の学生が、特定技能に従事した後に「引き続き日本で介護福祉士として継続して働きたい」という意思で留学に切替え、入学している。

Ⅲ. 協力国(ベトナム・ミャンマー・スリランカ)の現状

当事業の協力国として、ベトナム・ミャンマー・スリランカの3か国を選定した。各国とも、本事業に関心を示す連携先候補の学校や団体が既に存在する。ベトナムとミャンマーについては介護分野の留学生の絶対数(関心度合)および日本語能力試験の受験者数(日本語学習への関心度)いずれも他国と比較して高く、宗教も沖縄の地域特性(豚を使った郷土料理が多いためイスラム教を主とする国は難しい)に合致するため、有効なターゲット国と考えられる。スリランカについては、同国から送り出している特定技能のうち介護職が最も多いこと、経済危機を背景として日本で永住を目指す者が多いことから、特定技能終了後に介護福祉士試験合格を目指した専修学校への留学が期待できる。

事業実施によって達成する
成果及び測定指標

KPI

番号 KPI(評価指標) 単位 目標値 当該KPIの測定方法
令和7年度 令和8年度 令和9年度
1 【必須】学生募集やN2段階の日本語教育において当校との提携を行う現地の日本語学校・機関数(新規合意数)
(団体)
3 2 2 当校と締結したMOU数もしくはメール含む文面による連携の合意数
2 【必須】「1」の学校でN2レベル以上の日本語を習得し、当校に入学した学生数 0 5 10 当校が入学許可を出したN2レベル以上の入学者数(入学待ちも含む) ※本事業の開始時期に鑑みて令和7年度は0とする
3 模試の実施回数 2 5 5 試験直前の10月~1月に掛けて毎年5回実施する。 ※令和7年度は入学済の学生に対してトライアルとして実施
4 補助教材の作成数 種類 2 2 2 「にほんごをまなぼう」の補助教材(漢字理解、記述式問題等)の作成数
5 【必須】当校の模試で合格点に達した留学生の割合 % 60 70 80 当校が学生に実施した模試において合格点に達した留学生の人数÷留学生の受験者数
6 【必須】介護福祉士の合格率 % - - 80 介護福祉士試験(国家試験)に合格した留学生の割合 ※本事業開始後に入学した学生を対象とし、令和9年度のみとする
7 【努力目標】留学生の就職後定着率 % 90 90 90 当校を卒業して就職した学生の1年後定着率(毎年4月に測定) ※結婚や家族都合等の理由による退職を除く定着率は100%を目指す

連携機関及び
各機関の役割・協力事項

ORGANIZATION

機関名 役割・協力事項 内諾
学校法人大庭学園 事業統括
沖縄福祉保育専門学校 介護福祉士試験対策カリキュラム開発
社会福祉連携法人いーまーる ・地域介護現場とのネットワークによる就職支援
・留学生の生活支援
一般社団法人住みまーる(住みまーるOKINAWA) ・住居確保サポート
・不動産事業者向け説明会
・日本における生活面の日本語以外の言語対応支援
株式会社かいはつマネジメント・コンサルティング(KMC) ・海外教育機関や現地ネットワーク開拓
・日本語教育プログラムの現地適用支援
KMC Vietnam ベトナムの現地ネットワーク開拓
KMC Lanka スリランカの現地ネットワーク開拓
HUTEC大学(現地教育機関・ベトナム) ・ベトナムにおける日本語教育
・学生募集の勧奨
ベトナム日本人材開発インスティチュート・ホーチミン(外国貿易大学/JICA日本人材開発センター) ・ベトナムにおける日本語教育プログラムの共同開発
・学生募集の勧奨
OHIO Myanmar International
(現地教育機関・ミャンマー)
・ミャンマーにおける日本語教育
・学生募集の協力
Akari Private Limited(現地教育機関・スリランカ) 特定技能者からの入学希望の学生紹介

小計及び合計

教育機関:6機関 企業数:3機関 業界団体:1機関 行政機関:1機関 その他:0機関

合計:11機関

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